認知症初期 父の生活2

病院嫌いの父

ただならぬ事態を感じて、子供を旦那の祖父母に預け、実父の自営業の確定申告を手伝いに実家へ急いで向かう。

父の部屋に入ると母もいた。

聞けば、青色確定申告の計算がどうしても合わないらしい。地元の商工会で提出前チェックをしてもらっても数字が全然合ってないのでダメ出しを受けたらしい。

しかし今年の確定申告がなぜ数字が合わないのか、父には理解出来ないようだった。

パソコンとにらめっこしながら、私にその話をするだけでも短気な父がイライラしているのが伝わってきた。

毎年同じことをしているはずなのに、急に出来ないなんて、不思議なことを言うな…と私は思っていた。

今までずっと自信満々の父が「なぜか分からんが、どうしても合わない」そんなことを言うなんて初めてだったからだ。

家族の中では比較的パソコンが出来るほうだが私だって、確定申告なんてやったことはない。ましてや青色申告なんてなおさらだ!

とりあえず、持ち帰った申告書類と、元になる売上や、パートさんへの給料や請求書類を取り出して、誤りがないかを父と私で声に出してひとつひとつ読み合わせをしていこうと言うと父は頷いた。

すると…本当に単純な間違いだらけだった。入力する列がずれていたり、入力がもれていたり…

間違いをつぶしていくとそれらしい数字が出てきた。

父も母も、ホッとした顔をした。ありがとう!もう大丈夫だと思う!と言われ、ホッとして私は急いで家に帰った。

しかし、この時の青色確定申告が大きくっていたことを1年後に知ることになる。

そして、ここからがパートリーダーさんと父の不協和音へと、続いていくこととなるなんて私には知る由もない。

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