病院嫌いの父5

病院嫌いの父

在宅診療をされているホームクリニックに初めて電話をしてみると、女性の方が優しく話を聞いて下さった

そしてクリニックの説明ともう少し詳しくお話を聞きたいので娘さんだけでも良いので来院してくださいと言われた

私は同居しているわけではないので、父の身の回りの世話をしている母と二人で行くことにした

5年前のクリスマスイブの日、写真で見た優しそうな先生は診療に行かれていて不在だった。

女性の事務スタッフと専属の看護婦さんが応対して下さり、父は現在どんな体調で、どんなふうに生活しているのかを話した。

体調がおかしくなって、数ヶ月。引きこもりでさらに怒りっぽくなった父だった

私は藁をもすがる気持ちで、必死で説明した。話を聞いてもらえるだけでとてもホッとした。

だが一つ、在宅診療を受けるには条件があった。本人の同意が必ず必要というものだった。

「お父さんの同意が得られたら、また電話してもらえますか?」

「説得してみます」

と言い、お礼を言って、クリニックをあとにした

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