まず車を運転して仕事場に行かれなくなった。自営業の仕事場には女性のパートさんが5人ほどいて、父は平日の朝8時に行き、10時半には帰宅するのがルーティン。
業務上の確認もあるが、それ以上にパートさん達との他愛もない会話を楽しみにしていた。
そんな父がふらふらして体調が悪く、車が運転出来ないから、仕事場には行けないという。毎日規則的に過ごすことを好む性格なのに。行けない代わりに電話でやりとりするようになった。
会話しても、どこか呂律が回らず、手もしびれるという。「それはおかしいよ。脳の病気じゃない?病院に行ったほうがいい」誰もが言ったが、病院が大嫌いでビビリの父は「行きたくない」の一点張り。大好きなパートさん達、友人、家族が言ってもダメだった。
毎日の喫煙、晩酌と好き放題の生活がたたって入院させられるのではないかと怖がって行きたがらない。あまり言えば「うるさい!ワシが入院したら仕事はどうなるんだ。誰が代わりにやるんだ!」と騒ぐ。諦めてそのうち誰も何も言わなくなった。私も放っておいた。
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