かすかな不協和音3

病院嫌いの父

父の業務ミスは、日に日に増えていき、ついにお客様にまで迷惑をかける事態が起きてしまった。

ミスの対応はパートリーダーさんがいつもしてくれていた。

しかしついには怒り出し、その怒りの矛先は私に向かうことが多かった。

母には心臓の持病があり、都合が悪くなると「しんどい。私には何も分からないから」と逃げることが多かった

兄はややADHD気味で、話が噛み合わない。パートリーダーからの問題点を言われても「あ~ハイハイ、分かりました。言っときますんで。ハイハイ、大丈夫です。」というだけ。ちゃんと聞く気がないので話が容量を得ない。

まともに話が出来るのは唯一、私だけで、父が迷惑をかけているのを申し訳なく思っているので話も最後まで聞くようにしていた。家族の代表としてサンドバッグになっていた。

思えば本当に損な役回りだと思う。

特に間違いの多かった毎月のお客様宛の請求書の金額で、作成などの書類はパートリーダーさんにおまかせし、ネットバンキングや銀行とのやり取り、請求書のチェック、父への間違いの再連絡は私がフォローすることにした。

平日は通常の仕事があるが、地方銀行ネットバンキングは平日しか処理できないので、月末月初は何度か会社を早退し実家に通った。

休日可能な処理は、子供を土曜日も毎週保育園に預けて、土曜日に行うことにした。

こうしてなんとかギリギリのところで踏ん張りながら、父の自営業を支えてはいたが、こんな状況でこれからどうなるのだろうという不安はずっと感じていた。

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